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12 題名:天使の心

1988年5月1日(日)9:30姪浜駅集合。

能古島ツアーへの出発である。

この年、ローランギャロは初めて後輩達を迎え、
ようやく2学年のサークルとなった。

どうやって後輩達とサークルを創っていくか、
どうやって仲良くまとまっていくか、
何もかもが手探りだった。

スポーツサークルなのだから、何か青空の下で親睦が図れるようなものはないか。
その当時の我々が出した答えが、新入生歓迎・能古島ツアーだった。

初代は福岡出身が多いため、能古島に遊びに行った経験を持つ者も多い。
大学生が能古島ツアーなんて確かにスマートなイベントではないが、
そこを敢えて選んだ。

皆でフェリーに乗るという面白み、
頂上のアイランドパークまでの適当な距離、
そして春には花々が咲き乱れる。
そして何よりも安全、安心であった。

しかし、唯一の心配は天気だった。もし、雨だったら。。。

その時は、予定を変更してボーリング場かどこかに駆け込もう。
当時はそういう小回りが効く人数しかいなかったが、
それでも多くのメンバーが参加したので、ざっと30人は超えていたと思う。

フェリー、そしてアイランドパークまでの道のり、その時点で新入生(2代)達のキャラクターが見え始めた。

アイランドパークへ着いた我々は、
ドッジボール、バトミントンと、古典的でお決まりのゲームをして楽しんだ。

そしてその中で最も記憶に残っているのが、大縄跳びだ。
皆の息が合うかどうか試すにももってこいのゲームだった。
しかし、これが簡単なようでなかなか難しい。一人ずつ入って来ている時点で、
既に誰かの足にひっかかってしまう。
ひっかかった人は照れくさそうに、笑うしかなかった。

と言っているうちに、チームの全員が縄に入ることができた。
と、その時、新入生の田口さんが転倒してしまった。

が、次の瞬間、我々は目を疑った。
転倒した田口さんは、次の縄が回ってきたときに、
なんと背中でジャンプ、そう背面ジャンプで縄をクリアしたのである。

2代目・田口さんの鮮烈なデビューだった。

皆は最初、何が起こったのか理解できなかった。
一瞬、笑いも起きない間が空いた。
しかし、事実として「飛んだ」のである。

我々は一瞬の間の後、涙が出るくらい腹を抱えて笑ったが、
それと同時に考えさせられるものがあった。

我々は年を経るにつれ、いつしかどうでも良い恥じらいや見栄が出てきている。
だから、縄が自分の足にひっかかったら、
照れくさそうに笑うしかなかったのである。
しかし、一生懸命やれば、
もうちょっと頑張れば、
それがどんな方法であれ、世間体や自分の殻さえ考えなければ、

何でもできるだ。

田口さんは皆に迷惑かけないように一生懸命飛んだのである。
田口さんのデビューは鮮烈な印象と共に、我々をサークル創世の原点に戻してくれた。
特に後輩達が入ってきてからは、
先輩らしく、上級生らしくと格好つけようとしていた初代にとっては痛いくらい目が覚める出来事だった。

皆と一緒に何でも一生懸命やっていこう、そんな気持ちに戻ることができた。
あの背面ジャンプという行動は、一瞬でも周囲を気にしては絶対にできない。
生まれたままの、純で素直な気持ちでないとできないと思う。

この後も田口さんの活躍は目覚ましいものがあった。
そしてその度に我々を純な気持ちに戻してくれたのである。
もちろん、このような事件ネタだけでなく、テニスの腕も驚くべき速さで上達した。
それも全ては素直な気持ちがあってこそだと思う。

ローランギャロの創世記に、天使の心を持った少女がやってきた。
我々は、その後も彼女から多くのことを学んだ。
だからこそ我々は今でも思う。
素直な気持ちでもうちょっと頑張ってみようって。

  by rg20aniv | 2006-10-01 12:00 | ローラン創世記

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